ビズパワーズ柳瀬智雄のコラム人材育成で大切なこと

2020年02月04日

人材育成で最も大切なことは、どのような「人材を育成するか」という人材育成方針を持つことです。人材育成方針は、人材育成における会社の基本的な考え方です。これがしっかりと定まっていないと、企業経営に寄与する人材育成は実現できません。

人材育成というと、直接業績に貢献しやすいスキルアップに意識が向きがちですが、組織で働く上では、意識面の成長も大切にする必要があります。会社によって、企業文化が異なり、大切にする価値観が違います。人材育成においては、その企業が大切にする価値観を共有することが大切です。例えば、顧客第一主義を掲げている企業が、顧客をないがしろにするような営業パーソンを育成するのは間違いです。人材育成においては、企業文化や大切にする価値観をしっかり共有することが大切です。

次に、スキルアップ面においては、当たり前ですが、業績向上に資するものであることが大切です。企業が人材育成を行う目的は、言うまでもなくビジネスにおいて成果を出すことです。その企業が関わる業種、業界、業務において、成果を出す人材を育成すると言うことです。極論すれば、何でもできるスーパーマンのような全方位型の人材育成ではなく、その業種業界や担当業務における成果を実現できる人材育成を考えるということです。ここはしっかりと必要なスキルを整理し、現状とのギャップを把握する必要があります。

多くの場合、人材育成と言った時に、真っ先に上がるのが英語などの語学です。グローバル化の時代だから英語が必要だとの声は、何十年も前から聞いています。しかし今やAIなどのIT技術の進化で、自動翻訳技術が飛躍的に向上しています。スマホのアプリが簡単に通訳してくれる時代です。そんな時代に、「まずは英語」と短絡的に考えるのでなく、自社に必要な人材育成とは何かをしっかりと考えた人材育成方針をお立ていただきたいと思います。決して語学教育は無用だとは思いませんが、ここは優先順位をよく考えるべきです。スキルアップ面でも、その企業の経営理念や経営ビジョンに基づく、経営戦略を実現するための人材育成方針に沿った内容にすることが大切です。自社の進む道を明らかにした上で、人材育成方針を明確にし、それに基づいた人材育成計画を立てることが大切です。

このように、人材育成においては、経営理念や経営ビジョン、経営戦略などの上位概念と整合性の取れた人材育成方針を立てることが大切です。

最新コラム

お気軽にお問い合わせ・ご相談ください

06-6948-8855

受付時間 9:30~17:00 祝日を除く月~金