ビズパワーズ柳瀬智雄のコラムトヨタで学んだ「後工程はお客様」発想

2011年03月09日

中小企業診断士でトヨタ生産方式の指導をしている方は多いと思いますが、実際にトヨタ自動車の生産ラインで車を作ったことのある方は少ないと思います。

私は社会人になって最初に就職したのがトヨタ自動車で、新入社員研修の一環として工場のラインで2カ月間車を作らせていただきました。

当時はバブルまっただ中で車が飛ぶように売れていた時代で、生産ラインはとても辛かったのですが今となっては本当に得難い経験をさせていただいたと感謝しています。

トヨタ自動車は研修にたいへん力を入れる会社でしたので、非常に多くのことを教えていただきました。その中でも特に強く心に突き刺さり、今も心にとどめているのが「後工程はお客様」という教えです。

これは同じ生産ラインの自分の担当部分より後ろの作業者のことを「お客様」だと思って、お客様(後工程作業者)が喜ぶような仕事をするように心がけましょうという意味です。具体的には後工程の方が作業しやすいように、部品の留め方を工夫するなどのちょっとした心配りをしましょうというものでした。

この考えを企業経営の上流から下流、すなわち研究開発から営業・物流・サービスまですべてのプロセスに関わるスタッフ全員が持っていれば、その会社の商品やサービスはお客様に喜ばれる心のこもったものになります。

よく経理や人事の方が自分たちはお客様と接していないとおっしゃいますが、自分の仕事の目的を考えれば同じ会社の人間であってもその方をお客様と思うことで、仕事の質が向上し会社はより良いものになっていくはずです。

「後工程はお客様」

この発想を全従業員が持つと会社は強くなります。究極の顧客志向の会社はこうあるべきではないでしょうか。

弊社では組織力強化の取り組みを通じて、従業員全員が主体性と思いやりをもって仕事に取り組む強い組織を築き上げるお手伝いをしています。「自分さえ良ければ良い」という個人中心の視座から、職場・会社とのつながりを意識し、まさに「後工程はお客様」的な意識を生み出す研修です。詳しくは、下記リンク先にてご紹介させていただいています。

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