ビズパワーズ柳瀬智雄のコラムサンクスカードが失敗する理由とデメリット

2020年01月22日

職場活性化の手段として、サンクスカードが人気です。手軽に始めることができますし、導入時には大きな効果を実感できます。私の組織活性化セミナーに参加される方にもサンクスカードを導入された経験のある企業の方もおられます。ところが、ほとんどの企業がやめてしまっています。すなわち失敗しているのです。

サンクスカードの考え方は本当に素晴らしく、私もその趣旨には強く賛同します。職場の仲間が、仕事における感謝を伝え合い、お互いのつながりを意識する、素晴らしいツールです。しかしサンクスカードの本質を理解しすることができなければ、「気持ち悪い」と感じる人もおられ、苦痛に感じる方もおられます。サンクスカードを継続するのは本当に難しいのです。

サンクスカードが失敗する理由はいくつかあります。1つ目はサンクスカードを渡すこと自体が、ノルマのようになってしまうことです。週に何枚や月に何枚サンクスカード渡さなければいけない。最初のうちは渡したい人がたくさんいるでしょう。しかし数週間もすると多くの人が誰かにサンクスカードを渡すことに苦労しだします。誰にサンクスカードを渡すのかを考えるのが苦痛になってきて、最後はまるでノルマのような形で渡すことになってしまいます。そのような形でもらったサンクスカードを受け取ってもあまり効果はありません。

失敗する2つ目の理由は、サンクスカードを何かしらのインセンティブとつなげてしまうことです。例えば「サンクスカード5枚集めれば商品券に交換できる」といったようなものです。これでは人のための良い行為と、経済的なメリットがつながってしまい、本来のサンクスカードの意味をなさなくなってしまいます。サンクスカードは、人と人との心のつながりを生み出すためのツールです。決して金銭報酬とリンクさせてはいけません。最悪の場合には、人間関係を壊してしまうようなデメリットが生じる可能性があります。

サンクスカードのような素晴らしい施策も、よく考えてから導入しないと、効果がなかったり、想定外のデメリットが発生する点にご注意ください。

さて、サンクスカードをどのように活用すれば良いかですが、下の動画でお話ししていますので、よろしければご覧ください。

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