ビズパワーズ柳瀬智雄のコラム経営者の後進の育成

2020年01月27日

経営者にとって、後進の育成は最も重要な仕事の1つです。どんなに優秀な経営者であってもいつまでも元気でいられるわけではありません。必ずいつか引退します。後を継ぐ後進の育成を怠ると、いざ事業承継の際に大きなトラブルになります。中小企業だと血縁者が事業承継する場合は、早い段階での双方の合意(意思確認)と後継者の計画的なビジネス経験の蓄積が必要です。血縁者以外が事業承継する場合には早い段階での後継者候補の検討が重要になります。複数の後継者候補を選抜し、実際のビジネスの課題に対する対応能力を見ることで、後継者の絞り込みが可能になります。

事業承継においては、お金に関わる課題に注目が集まりますが、それ以外の問題が発生する場合もあります。人の問題です。すなわち、次期経営者となる後進の育成です。一般的に、経営者の後進の育成には10年程度かかると言われています。経営者は、元気でバリバリ働けている時から、後進の育成に取り組んでください。

経営者のリーダーシップのタイプによって、会社の社風やマネジメントスタイルは変わります。トップダウン型の経営者の場合は、上位下達型の企業風土となります。一方、経営者がボトムアップ型の経営スタイルを取る場合は、自由闊達な企業風土が生まれやすいです。後継者と現在の経営者のリーダーシップのスタイルがこの2つのように異なる場合には、会社のマネジメントスタイルや企業風土について意識する必要があります。

後進の育成において、自らと同じタイプの経営者であれば問題はありませんが、自らと異なるタイプの経営者の場合は、マネジメントスタイルと企業風土の面に十分に配慮してください。この点について、適切な対応が取れないと、最悪の場合には組織が機能しにくくなります。

当社では、トップダウン型の組織風土からボトムアップ型の組織風土への転換を図る支援をしています。組織活性化研修ビタミンデイズによるメンバーの主体性の発揮とチーム力の強化や、管理職を中心としたリーダーシップを強化する研修などを通じて、全員が一丸となってポジティブに前進する強い組織の実現を支援しています。

経営者の皆さんには、後進の育成に加え、会社全体の組織に対するこのような配慮も必要であることを、ご認識いただきたいと考えています。

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