先日明らかになった某製薬会社の新人研修実施後の自死について、本当に残念に感じています。研修内容について実際に体験したわけではなく、あくまでも報道による情報しかないのですが、このような研修が、大手企業で現在も実施されていることに大きな違和感を感じています。

このような研修の目的は、上長の指示に異論を唱えず、服従する従順な社員を育成するものだと思います。その研修プロセスにおいては、受講者が誰にも知られたくない恥ずかしい体験を告白させたり、相手の短所を徹底的に責めるなどの、人の尊厳を軽んずる行為があるそうです。私はそれは絶対に許されないものだと考えています。このような研修は昭和の時代にブームになったのですが、その当時も自死事件が起きて問題になっていたそうです。

当社の研修に参加された何人かの方から、過去にこのような研修に参加した体験について聞いたことがあります。ある方は、その研修プログラムを何度も受け、最上位クラスまで進んだそうですが、その研修プログラムと当社のものは真逆だとおっしゃっていました。その方自身は当社の研修の効果をより高く評価されていました。

私は、企業の発展と社員の幸福の両立を本気で目指す企業を支援したいと考えています。人材育成の目的は受講者の持つ可能性を最大化することです。恐怖や洗脳では社員の本当の能力を引き出すことはできません。より多くの方々にそのことを理解いただきたいと思い、日々活動しています。このような悲劇が二度と起きないように、企業の研修担当者の方も自社の研修内容を再確認いただきたいと思います。