ビズパワーズ柳瀬智雄のコラム課題に最適な研修テーマの設定:社内研修を成功させるための5つの着眼点(3/6)

2019年04月22日

経営課題に最適な研修テーマを選ぶのは、そう簡単なことではありません。例えば、「最近売上が下がっている」という課題があったときに、多くの場合「営業力を高める研修を」と考えがちです。ここに落とし穴があります。実は「最近売上が下がっている」というのは表層的な部分であり、その真の原因(真因といいます)を明らかにし、対応しない限り、本質的な課題解決にはならないのです。例えば売上が下がっているのであれば、考えられる原因を「なぜ?」と論理的に考え、洗い出します。図のようなツリー図で整理するとわかりやすいです。(図表5)

このように整理した結果、営業パーソンの売る技術(営業スキル)が不十分であれば「営業スキル」、営業パーソンのやる気が足りないのであれば「モチベーションアップ」、営業マネジャーの管理能力が不足していれば「リーダーシップ」や「マネジメント」、商品が陳腐化して新商品が必要であれば「商品開発力」と、その対応すべき課題が明らかになります。さらに「営業スキル」一つを取っても、さらに深く掘り下げ、「商品知識」「提案力」「コミュニケーション力」「ホスピタリティ」などに細分化する必要があります。この細分化プロセスが重要であり、ここでの真因設定がズレていると、素晴らしい研修講師やカリキュラムを用意できたとしても求める成果を挙げることは難しくなります。

一方で新入社員研修や管理職研修などの階層別研修は、人材育成計画の中で、各階層が備えるべき意識レベルやスキルなどの要件を定義することでテーマが決まります。自社の業界やビジネスモデル、特徴を踏まえた上で、各階層が学ぶべきテーマを考える必要があります。

※この記事は、経営専門誌「企業実務 2017年12月号(発行:株式会社日本実業出版社)」に掲載いただいた記事を再編集したものです。

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