ビズパワーズ柳瀬智雄のコラム経営戦略を実現するための人材育成計画の構築:社内研修を成功させるための5つの着眼点(2/6)

2019年04月20日

「今年も研修をしなければいけないので、とりあえず流行のテーマを探してみる」というような姿勢ではダメです。そもそも研修の目的を考える必要があります。自社の目指す成長を実現するための研修をプロデュースしなければいけません。そのためには、自社の経営戦略に基づいた人事戦略を策定し、自社に不足するリソースを補うための人材育成計画の体系を策定し、これに則った研修体系を構築しなければなりません。ここをしっかり設計しなければ、どんなに素晴らしい講師やカリキュラムを用意しても、成果に結びつきにくくなります。(図表3)

人材育成計画策定にあたっては、経営戦略に基づき、人材と組織の目指す姿(あるべき姿)を設定した上で、現状とのギャップを明らかにし、そのギャップを埋める方法を検討します。現状を少しよくすれば良いと考えるのではなく、「何年後にこのような状態を達成する」というゴールを明確にした計画が必要です。このギャップを埋める方法として、外部から人材を募集する方法(キャリア採用)と、内部人材の育成で対応する方法(人材育成)を検討します。(図表4)

この内部人材の育成を重要度と緊急度で優先順位付けし、取り組む順番を時間軸で整理したものが人材育成計画になります。この計画を構成するのが、通常業務の中で先輩や上司の指導により育成するOJTと、通常業務を離れ、研修等で育成するOFF-JTです。社内研修はOFF-JTにあたります。

このようなプロセスを踏むことで、社内研修により解決すべき課題を明らかにできたら、次は研修テーマの設定です。

※この記事は、経営専門誌「企業実務 2017年12月号(発行:株式会社日本実業出版社)」に掲載いただいた記事を再編集したものです。

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