ビズパワーズ柳瀬智雄のコラム令和時代の働き方改革で心配なこと

2019年04月01日

新元号「令和」が発表された今日4月1日から働き方改革に関する法律がいくつか施行されました。残業時間の上限設定は、大変重要で意義深いものではありますが、ひとつ心配なことがあります。

労働時間の上限が設定されることで、いかに効率的に効果的に仕事をするかが重要になり、生産性を高めることが求められます。無駄な時間を減らすため、経営者の時間に対する考え方がシビアになります。

心配されるのは、組織内のコミュニケーションの質と量の低下です。仕事に直接は関係ないながら、共に働くチームを円滑に機能させる潤滑油のようなコミュニケーションです。もちろん仕事に関係のない雑談は直接は生産的なものにはならないと思います。しかしこの雑談があることによって、相互理解が深まります。働くためのチームにおいては、お互いの信頼関係の構築が不可欠です。この信頼関係のベースになるのが、相互理解です。どのようなことに価値を感じ、どのようなことを大切に仕事に取り組んでいるのか、そういったことをお互いに理解し合うことによって、より強固な信頼関係の形成が可能になります。これはコミュニケーションの質と量に大きく依存するわけです。

業務に関する必要最小限のコミュニケーションだけでは、相互理解を深めるのは難しくなります。過度な無駄話はもちろん業務の妨げになります。しかし関係性を高めるために有益なコミュニケーションまで排除してしまっては、結果的に組織としてのパフォーマンスを下げてしまい、労働生産性を下げる恐れがあるわけです。この点を経営者や労務担当者の方々は十分にご留意いただきたいと考えています。

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